はじめに:電験三種の勉強で一番悩むのは「教材選び」
電験三種を独学で目指すとき、多くの人が最初にぶつかる壁が「どの参考書を使えばいいのか?」という問題です。
私は高専電気科出身で、当時はそれなりに勉強していたつもりでした。
ですが、ブランクは10年以上。電気知識はすっかり抜け落ちていたのが現実でした。
そんな私が選んだのが、
『電験三種に合格! 初学者・独学者のための、究極にわかりやすい教科書&問題集!』シリーズです。

この記事では、この参考書の使い方と、どのようにして独学で合格までたどり着いたのかを詳しくご紹介します。
この参考書を選んだ理由|急がば回れの精神
「高専出身なんだから、少し復習すればすぐ戻るだろう」
そんな思い込みはすぐに打ち砕かれました。
- キルヒホッフの法則?
- ΔY変換?
- クーロン力や電界の式?
思いのほか、基本中の基本が頭から抜けていることに気づきました。
だからこそ私は「急がば回れ」の精神で、一から丁寧に書かれている初心者向け参考書を選びました。
このシリーズは、図解が豊富で説明が丁寧。ブランクのある私にはぴったりでした。
使い方の工夫|一周目は“読む”、二周目から“解く”
最初から問題を解こうとして、時間をかけすぎてしまうと、モチベーションが下がります。
そこで私が取った方法は次の通り:
● 一周目:読むだけでOK
- 参考書をサラッと読み、問題も流し読み
- 解き方のイメージができれば◎と割り切る
- 「理解度は30%でもよし」と自分に許可を出す
● 二周目:実際に解く(ここが一番つらい)
- ほとんど解けない。ここがどん底
- でも、ここで一度落ちることで三周目以降が楽に感じられる
● 三周目以降:目印付きで効率アップ
- 問題に日付+「◯(解ける)」「△(解説ありで解ける)」「✕(解けない)」の目印を記録
- 周回が進むごとに◯の問題は飛ばし、△・✕に集中
- ◯の問題は「解法が頭の中で再現できるか」だけを確認
教科ごとの勉強の進め方|1科目1〜2ヶ月が目安
● 科目の順番は「理論→電力→機械」
法規は試験1ヶ月前から一気に詰め込みました。
● 理論
- 三角関数の理解が鍵(力率・有効電力・電界などに必要)
- 計算ミスを防ぐため、毎日少しでも計算に触れる習慣をつける
- キルヒホッフ、直並列、ΔY変換など、忘れやすい基本を重点的に復習
※私は電験三種理論で自己採点95点を取りましたが、これは日々の計算練習のおかげです。
あとは、電験三種1回目で理論のみ不合格となり、2回目の残りの理論に100%リソースを注げた事が大きかったです。
高校数学の知識は是非とも身に着けて臨む事をお勧めします。
三角関数あたりまでです。
有効電力、無効電力、クーロン力、電界などベクトルの概念では必須になります。
微分、積分、ラプラス変換は知っていると理解は上がりますが、電験三種では不要で、電験二種に臨む場合は必要です。
● 電力・機械
- 高校数学の理解があれば独学可能
- 電力は比較的イメージしやすく得点源になりやすい
- 機械は情報量が多く、苦手意識を持ちやすいので早めの着手がおすすめ
● 法規
- 参考書を1周読んだあと、暗記アプリ(スマホ)を活用
- 電車やスキマ時間で反復暗記
- 試験直前のタイミングで暗記開始することで、記憶の定着が良かった
過去問演習の工夫|お金をかけずに本番対策
過去問は本では買わず、
電気技術者試験センターのPDFを印刷して使いました。
- 本番と同じ形式だから、模試感覚で解ける
- 解く際はあえて時間を短縮(例:85分→80分)して、プレッシャーに慣れる訓練
- 本番では“時間に余裕を感じる”という効果がありました
ノート術|ルーズリーフで徹底的に演習
私はルーズリーフ派でした。理由はシンプル。
- 安い
- たくさん書ける
- 間違えてもどんどん捨てられる
気軽に書けるので、手を動かすハードルが下がり、計算癖がつきやすくなります。
まとめ|独学でも合格できたのは「使い方の工夫」があったから
『究極にわかりやすい教科書&問題集』シリーズは、初学者・ブランクがある人に最適です。
でも、参考書の力だけで合格できたわけではありません。
大切なのは、以下のような“自分に合った使い方”です:
- 一周目は読むだけ。完璧主義は捨てる
- 二周目で解いて苦しみ、三周目以降で回収する
- 時間管理・暗記・ノート術などの工夫も大事
- 計算は毎日触れる。特に理論は手を動かすことが鍵
最後に|あなたに合った勉強法で、合格は必ず近づく
私のように、10年のブランクがあっても、家庭があっても、
毎日少しずつ積み重ねれば合格は現実になります。
あなたの勉強が少しでも効率的に、そして楽しくなることを願っています!