はじめに:理論55点不合格が、全ての始まりだった
私は社会人として仕事・家庭と向き合いながら、電験三種の資格取得に挑戦しました。
初回受験の結果は——理論55点(自己採点)で不合格。
偶然正解できた問題が3問あり、それでもギリギリの不合格。
あと1問、たまたま正解していれば60点で通過していたかもしれません。
でも今振り返ると、合格しなくて良かったと本気で思っています。
なぜならこのとき、“理論を軽視していたら、電験二種には絶対に合格できなかった”と確信しているからです。
この記事では、そんな私が1年かけて理論に取り組んだ中で気づいた“落とし穴”と学びを、実体験を交えて5つ紹介します。
落とし穴①|「合格点=実力」という勘違い
初回の電験三種、理論以外の3科目はすべてギリギリで合格しました。
- 電力:60点
- 機械:65点
- 法規:70点
一見すれば「あと理論さえ取れば合格」と思いがちですが、
このときの自分には“合格点の実力”はまったく伴っていませんでした。
合格点ギリギリ=実力不足の警告サイン
結果的に、「今のままではダメだ」と痛感できたことが、再挑戦の原動力になりました。
落とし穴②|「理論だけ集中」は継続が難しい
2回目の試験に向けて、1年間は理論に全集中しました。
ただし、最初から「理論一択」にしすぎると飽きやすくなります。
そこで取り入れたのが以下の理論でも3つ勉強方法:
- 『みんなが欲しかった!シリーズ』で基礎固め
- YouTube動画で視覚的に理解(特に電子回路対策)
- 過去問を繰り返し解く(電気技術者試験センターPDF活用)
YouTubeの講義動画は本当にありがたかったです。
特に家庭を持っていると、まとまった時間が取りづらいので、“耳で学べる”スタイルが継続の鍵になりました。
落とし穴③|「電子回路が苦手」は放置すると危険
理論の中でも、電子回路は本当に苦手でした。
- トランジスタの動作原理
- 論理回路の真理値表
- ダイオードの特性
これらは図や動きを見ないと理解しづらく、独学でやると挫折しがちな分野です。
ここで私は、YouTube解説に加えて、問題を“見るだけ”で回す→理解を後回しにしてでも慣れるという方法で突破口を開きました。
落とし穴④|「電気数学」が甘いと、理論は解けない
意外と盲点なのが、高校数学レベルの基礎です。
実は、ここを甘く見ている人ほど理論でつまずきます。
- 三角関数
- ベクトル(有効電力・無効電力の理解)
- キルヒホッフの法則やΔY変換の計算
これらは公式を知っていても、“式を展開できるか”が重要です。
特に毎日少しでも計算に触れることが、得点力アップの鍵になります。
私も最初は「オームの法則なら大丈夫でしょ」と思っていましたが、
実際には“直並列の合成抵抗”すら詰まる場面がありました。
落とし穴⑤|“たまたまの合格”は成長の妨げになる
初回の理論で、あと1問合っていれば私は合格していました。
でも、そうだったら完全に天狗になっていたと思います。
本当の意味で実力をつけたのは、
不合格から1年間、コツコツと継続して勉強した2回目の挑戦です。
この経験が、その後の電験二種一次・二次試験での高得点(一次理論90点)につながっています。
現在は、電験一種の理論問題集の1周目を進めているところです。
苦戦はしていますが、確実に“理解できる範囲”が広がっているのを実感しています。
まとめ|理論に落ちたからこそ得られたもの
理論は電験三種の中でも最も基礎的で、最も奥が深い科目です。
「落ちたこと」は一見マイナスのように見えますが、私にとっては成長の起爆剤になりました。
最後に、理論で悩んでいる方に伝えたいことがあります:
- 不合格でも腐らないでください。
- YouTubeなど、無料でも優れた教材はたくさんあります。
- 勉強の習慣は、時間の長さより“続けること”が重要です。
あなたの努力は、確実に未来の自分を助けてくれます。
次回予告|私が電験三種で使ったYouTubeチャンネルと勉強法ベスト3
次回は、私が実際にお世話になったYouTubeチャンネルと活用法についてご紹介します。
時間のない社会人受験生にとって、動画学習は救世主になり得ます。